[2007.06.22] 懐疑論者のインテリア

あの町の端っこに住んで記憶を切り売りして暮らす女の子。「何度だって巡り会える」って言った男の子の言葉を信じて、ドライフラワーを見たりして過ごす。
戦地に赴く男の子が女の子に宛てたプレゼント、花言葉は「あなたにここに居て欲しい」だって言ってた。
もう、顔も思い出せなくなった。ただここに居て欲しかっただけなのにって思う。紅茶の葉っぱはとうに切れたから、ドライフラワーをカップに入れて、お湯を注いで香る。もう何も分からないのに、覚えてないのに、ただ何かを忘れないよう繰り返す。窓から入る風がスカートを揺らした。

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