すべて叫んだ

スカートが揺れる。
出来の悪い童話を聴いた。
君は秋が来たらみんな忘れるっておまじないをかけていた。

線路に飛び込む人を見た。
君の青い靴を履いてみる。
カカトを潰して空を抱いた時に、僕は自分を許した。

その狭い肩幅で誤魔化せない嘘も、動かない時計をさする指の冷たさも、すべて叫んだ。
そして呆れる程呼吸。

線路に飛び込む人を見た。
君の青い靴を履いてみる。
出来の悪い童話を探している。
君は青い靴を履いている。
両手を広げている。
スカートを揺らす。
空を抱きしめている。
僕はいつか、君はいつか、僕らはいつか。

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