[2009.07.01] カイト

ある人に、見えないのものが見える様になる薬をもらった。そして僕はそれをくすかごに捨てた。溢れ出す痛みを飲み干す作業に思えた。気付けばその名前はもう腐っていたのであった。
確実に嘘をつく事で有名なノヴゴロド人が死ぬ間際に残した詩の一節にこんなモノがある。太陽、ピンセット、ガーベラ、ブリザード、いたいのいたいのとんでけ、これを、外に、君に、君と、君が、ほとんど、awaawaawaawaawa…..

昨日僕は一つの嘘をついた。誰かを傷つける嘘だ。僕は、確実に、昨日、誰かを、傷つけた。だから?だから僕は幸せになれないのか?ちがう、ちがう、間 違っている、ちがう、間違っている。パリの女の子達がオシャレを覚える様に、スラムの少女がレイプされる様に、壊れかけのビッグマフがとんでもない音を出 す様に、酒を飲むと陽気になる様に、一番はじめの出来事のように、狭い肩幅で抱えきれない何かの様に、僕は奇跡を祈っている、祈り続けている。そして、君 は、可愛い服を着て、知らない町で、知らない人と、すれ違う。

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